徹底ガイドと銘打っているだけあって、口座開設の方法がかなり具体的に記述してありますので参考になります。
ただし2004年頃出版されている本なので現在は取扱いは変わっている事もあるかと思います。
基本的な事項や用語解説集は充分役立つので現在でも参考に読まれることをおすすめします。
金融ビッグバン以降、金融界を賑わしてきた新しい動きの多くは、個人顧客を対象にしたリテール分野におけるものだった。2000年は、異業種の参入によりリテール・マーケットの新たな一幕が開き、大手金融機関もそろってリテール業務の強化に乗り出す動きが見られた。これまでの都市銀行の歴史からすると、これは大きな方向転換を意味する。法人金融業務中心のホールセール・バンクを自認してきた各行は、はたしてそのカルチャーを容易に変革できるのか。 その点を鋭く突き、21世紀を勝ち残る銀行業の方向性を示したのが、本書である。著者は、邦銀勤務を経て現在シティバンクで個人金融業務を担当する現役のバンカー。1998年に郵便局との提携を仕掛け、他の民間銀行に先がけて共用カード、ATM接続のプロジェクトを実現させるなど、日本のリテール・マーケットに一石を投じる先駆的なプロジェクトに携わってきた。その著者いわく、「銀行業はやがてリテール・バンキングに収斂する。それが本書で私が述べたいことのすべてである」 第1部では、まず日本のメガバンクのリテール・バンキングを取り巻く現状が紹介され、金融がリテールへと収斂する根拠が示される。個人の家計構造の変化、増大する株式や証券、保険商品の魅力など、金融がリテールへシフトしていく必然的な流れのなか、すでに郵貯、外資、そしてイトーヨーカドーやソニーなどの異業種が着実に地歩を固めている。そのなかで、メガバンクだけが遅れをとっている根本的な理由が分析されている。第2部は、シティバンクのリテールにおける経営哲学や戦略上のノウハウ、組織や人事についての現場からの報告。「金融は単なるサービス産業」「金融商品を売ることと、スーパーが紙オムツを売ることに何ら違いはない」といった理念が、個人をターゲットとしたリテール金融の真髄を知らせる。そして第3部は、これからの邦銀のゆくえと可能性について。特に地銀の可能性が期待を込めて提言され、そこに日本の金融機関が活性化するカギが見いだされる。リテール・ビジネスにおける地銀の将来像は、金融に関係する人でなくても新鮮で、魅力的に映るだろう。 「リテールに収斂する」とは、極めて現実的な予測であり、日本の金融機関にとって唯一の希望でもある。いまの状況をそうとらえる力強いメッセージが、本書から伝わってくる。(棚上 勉)