最近、西村さんの作るメロディはやさしくなったと感じる。そのことがしばしば癒しの音楽というように解釈されていたりする。決して悪い意味ではないのだが、私としてはやはり、もっと音楽にスリル・起伏が欲しいような気がする。スローな曲が非常に多いことも大きな要因だが、他にも「次はここの音になるのかなと思えば、きっちりその音に着地する」曲が多いような気がする。
彼女のベストは「Lyrisme」「Virgin」「大地のうた」だと思っている。「Moon」でも彼女はさまざまなバリエーションで自分の音楽を表現してきた。それらはまた曲全体にも力強さをも引き出していたのである。
このアルバムでもまだ「癒し」の流れは脈々と引き継がれている。しかしながら、あちこちでストリングスを使用するなど最近のアルバムにはなかった試みをしていて、感情豊かに表現されているようになったと感じる。メロディも大変親しみやすい。
「くじけないで」は名曲だと思っていたが、あるサイトで一部分が某アニメソングにそっくりだという書き込みを読んだ。残念ながら実はそのとおりなのである。他にも彼女の曲には「そっくりさん曲」が少なからずあるので、そのあたりメロディモチーフのチェックもお願いしたい。
拓銀が破綻!!このニュースは当時、高校生であった自分にとっても非常に衝撃的な事だった。都市銀行は潰れないはずだったのに。北海道は失業者と就職難、ネガティブなニュースばかり飛び交ったこの数年。その根底は大手都市銀行に近付こうとするあまりバブルに踊らされた管理職、急成長した不安定な企業への融資。核心まで迫った取材と狂った時代の描写が巧みで吸い込まれるように読み入ってしまう。