転職で得をする人というのは本当に限られている。本書にも出ているが、本当にどこでもやっていけるずば抜けた才能の持ち主か、ブラック企業で心身ぼろぼろにさせられた人たち。両極端がほとんど。それ以外の人は、給料が目減りしてしまう。「やりがい」とかもっともらしい理由は付けるが、結局は「隣の芝生は青い」式の夢に過ぎない。著者はドライに「金のこと考えろよ」と現実を突きつける。
データは豊富で、手間は結構かけているように感じる。週刊ダイヤモンドの200回以上の連載を全部調べた結果を惜しげもなく、数頁で披露したり、就職・転職本を2頁ごとに短評付きで紹介したり、と努力の見せ方が露骨ではあるが、努力していることは分かる。「1億円の算出方法が甘い」というような批判はあるけれど、そんなもの端から確たる物ではなく、可能性を示しただけだし、転職したら退職金が激減りするのは普通に考えれば分かるはず。出来る人はともかく、それすら分からないから転職してしまう人が意外と多いということではないだろうか。前著「最高学府…」のときも感じたが、結構な上から目線というか、過度に主観的、感情的という点もあって、もう少し角が取れると…という感じもするのだけど、それもこの著者の持ち味かな?という気もする。
客観的な目でよく書かれている。特に、エグゼクティブサーチの項目については、あまり業界研究本では触れられないので、目新しい。