主演の千原ジュニア。この人のこの映画におけるこの演技…これこそが
「怪演」と呼べるものです。全身から滲み出るようなオーラ、そして一瞬
一瞬を捉えるかのような鋭い視線・目力。表情を作る顔の弛緩するシワや
筋肉、そして静かなようで荒っぽい躍動する動き…まさにこれが「怪演」。
松本大洋原作の『青い春』や、9人の脱獄囚を描いた『9ソウル』の監督
豊田利晃が一番最初に世間へと名をしらしめた映画、それがこの『ポルノ
スター』。実際に起きた事件をモチーフに作り上げたというこの映画の根底
に流れるものは、ノンフィクションをデフォルメしたフィクションではなく、
間違いなくドキュメンタリーだ。それでいて、フィクションの鎧を纏い、
観る側を翻弄する。まるですぐ目の前で「事件」が起きているような「リアル」
な映像がそんな効果をもたらしているのだと思う。
斬新で衝撃的で脳天直撃のモンスター青春映画だ。