プリウス10年の歴史や、ハイブリッドカーの仕組み、カスタマイズ情報など、内容がとても充実しています。
最初、ムックにしてはやや割高と思いましたが、ページ数が多いので納得。
特に、バッテリーを効率的に充電し、なるべくガソリンを使わないで燃費を稼ぐために、いろいろな人が試したノウハウ部分は実用的です。
後半の1/3程度はパーツ交換方法などの資料類ですが、オーナーのみならず、ハイブリッドカーに興味を持っている人にもおすすめできます。
燃料費の高騰が生活に影響するなか、改めて環境性能という価値に魅かれはじめている人は多いのではないでしょうか。一通り読むとプリウスが欲しくなりますよ。
2代目に進化した現在となってはプリウスを街中で見かけてもそんなに珍しくは無いが、発表当時の1997年や翌年の1998年は「あっ!プリウスが走ってる!」とまるで四つ葉のクローバーを見つけた時のように騒いだものだ。
しかし、このプリウスもこの当時のトヨタとしては生産ベースに乗せるのは苦渋の決断だっただろう。また215万円という「21世紀へGO!」にかけた値段にしても赤字覚悟の大出血バーゲン価格のつもりであっただろう。それくらい自動車ビジネスというものはシビアなものなのだ。
そんなプリウスの開発ストーリーを描いたのがこの本である。愚生も初代プリウスに試乗した時にはメカにかなり興味を示したが、昨年発表の2代目エスティマ・ハイブリッド試乗時では4駆システムに進化しているとは言え、インパネ上のモニターを見て、頭が混乱してしまった。それくらいハイブリッドシステムも複雑に進化しているものだが、この本では初期のプリウスのハイブリッドシステムを分かりやすく解説もしている。ハイブリッド初心者には読んで欲しい一冊だ。
ハリウッドスターにプリウスに乗ってもらえば販促に役立つ。トヨタが考えそうな、姑息な手段である。
著者は以前自動車会社に勤務していたというが、自動車会社の期間工だった鎌田慧氏が書く「痛憤の現場を歩く」を読めば、本書の著者である塚本氏がいかに的外れなちょーちん記事を書いている作家であるかがわかる。
トヨタのハイブリットエンジン車に乗ってみればわかるが、「地球環境に負荷をかけない自動車」などととても言える代物ではない。第一にホンダのハイブリットよりも実燃費が悪く、廃車にした時の環境負荷などまるで考えられていないし、もちろん他のトヨタ車と違わず耐久性に乏しいのは推して知るべしだ。
どうも本書を読むと「ものづくり」とは製造業の頂点に立つ巨大企業を絶賛することであり、その下で泣く協力企業(グループ企業ともいうが最近は『下請け』などという無粋な言葉は使わない)は上の企業のいうことを聞かなければ、即反故にされるという実態を覆い尽くし、トヨタの世界戦略とは世界一のお金持ちになりたいということのようだ。
安い賃金で働く従業員をかき集めてきて一兆円の利益をあげれば、金にモノを言わせて広告代理店すら牛耳れる。
トヨタの批判記事を書けば載らないのはその筋では有名だが、トヨタ車に乗る人はトヨタの従業員とその下請け企業の従業員をも間接的に不幸に陥れているということを理解すべきである。アメリカのナイキが発展途上国でやっていることをトヨタは国内でやっているのである。
世界から軍需産業と自動車産業をなくしたら経済は破綻すると言われている。
実際にそんなことは起こるはずもないが、20世紀後半から世界を席巻しているのがこの二大産業と言うわけだ。
スイスへ観光に行ったことがある人なら景観に魅了されない人はいないと思う。正直筆者もそのうちの一人だ。
だがこれが巨大な軍事目的により整備されているとしたらどうおもうだろうか?
実はスイスという国の実態は国民皆兵の国で、ライン川に優雅に浮かぶ商用船さえも有事となれば徴用し武装するようになっていて、岩山をくり抜いてまで軍事基地が高密度に点在し、迫撃砲を備えた武器庫がそこかしこにあるような国全体が高度な要塞国家なのである。
前置きが長くなったが巨大産業が裏で操っている国というのは見た目と実体の乖離が凄まじいということを説明したかった。
ハイブリッドカーで世界をリードしているのは言わずと知れたトヨタである。実際に売れてもいるが、実体がこれまた性悪車である事をあまり知られていない。初期のプリウスはバッテリーの性能が悪く、すぐに交換を強いられたので無料であったそうだが、現行モデルのバッテリーでも5年前後にほとんど使い物にならなくなり、交換手数料を含めて13万円ほどかかるという。
ここに「エコカーではない」と言える秘密が隠されている。
国産車を新車で購入し乗り換える人達は5年以上も乗り続けない。ほとんどがマイナーモデルチェンジと同時に買い替え、またリースプログラムなどの導入で新車の乗り換え(買い替え)期間がさらに短縮される傾向にある。
と言う事は市場に中古車が溢れると言う事になるが、13万円もするバッテリーがすぐにイカレてしまうような車を購入する人がいるだろうか?
ハイブリッドカーは最初からそのリスクを背負っている。新車で購入しなくてはならないエコカーなどエコカーにあらずだ。
新車登録から3〜5年。最初のオーナーの手を離れたハイブリッドカーは「廃車」という環境負荷が待ち構えている。次世代型のハイブリッドカーを売るトヨタはさらに環境に良い事を喧伝し古い車はどんどんと廃車にされていく。
ハイブリッドカーこそ負のスパイラルと言えるシロモノであることを認識して欲しいとおもう。
本書は,プリウスの特徴の紹介から始まり,プリウスのコンセプト・設計思想,および,プリウスを未来カーたらしめるモーター技術・S-VSC(車両安定制御システム)・インテリジェントパーキングアシスト(半自動車庫入れ機能)について,主役となる人物のインタビューなどを交えながら紹介されています.最後は,究極のエコカーとハイブリッドシステムの関わりで結んでいます.平易な文章で大変読みやすく,プリウスオーナが薀蓄をたれるためのネタを仕入れるにはうってつけの本です.ただ,全体としてカタログ的で,今ひとつインパクトにかけます.特に写真のほとんどはカタログに使われているものと同じものです.ハイブリッドシステムの詳しいことを知りたい人や,プロジェクトXのような感動開発物語を期待している人には少し物足りないでしょう.「エンジニアたちの挑戦」というサブタイトルの割りに,あまり感動を覚えないのは,障害が立ちはだかり,挫折しそうになりながらも担当者のふんばりやリーダの勇気ある決断によってこれを乗り越えていくというお決まりのパターンではないためでしょう.開発に当たってはそれなりの苦労はあったのでしょうが,プリウスの開発はトヨタの威信をかけたプロジェクトで上層部のサポートも厚かったようです.粛々と開発が進められた印象を受けました.