せっかく交通博物館の看板を掲げて出された著作なのに、例えば上野駅の昭和40〜46年に渡る大改修工事(高架側に3線増設→地上ホームの番号が振り直された)にはまったく触れられていないし、近年の新幹線というシステム全体とターミナル駅との関係を考える上で、東京運転所への入出庫回送がスジを塞ぐ(その分営業列車の発着本数を減らさざるを得ない)状態の解消のため品川駅が設置されるにいたったという非常に新しい動きについての記述が「その他大勢」の1ページにも満たない扱いなのも気になる。
もう一回腰を据えて改訂増補が行われればそれ相応のものができる……のかな……
長編。構内関係の説明がやや冗長で、途中退屈する。
事件の展開がもうちょっとテンポが欲しいところ。
あの街(駅)に憧れはあるけど、実際に暮らしてみたら、意外に不便だったとか、
想い描いていたイメージと違った?、なんて経験をすること、東京に暮らしてい
てもありますよね。
この本だと、マップ付きで街の施設の充実ぶりが紹介されているほか、住人のコ
メントが掲載されていてるので、住み心地が想像できそう。
しかも好きなところや便利だと思うところだけでなく、逆に嫌いなところや不便
だと思うところまで意見も様々なので、実際の暮らしがイメージできるのがいい
ですね。近々、都内で引っ越しを考えているので、参考にしようと思います。
ちょっとした偶然から本書を入手し、ビジネス本の合い間に読み進めたが、一般にはあまり知られていない、幕末から明治を生きた唐津藩出身の建築家の半生には、建築には素人ながら、感動を与えてもらった。普段通勤でお世話になる東京駅に、さらなる愛着を持つようになった。今後さらに変わり続ける、東京駅が楽しみである。東京駅建設は、当時の日本の一大プロジェクトであった。その過程において、辰野は、鉄筋コンクリートを使用する最新の技術を採用しようと主張する、若手の意見に耳を貸さず、頑なに赤煉瓦の外装にこだわった。その結果、優秀な部下を失うことになり、しかも完成後の東京駅に対する、建築界の評価は芳しくなかった。しかし本当に辰野が固執したのは、赤煉瓦を使用することによる周囲の建築物との調和であり、街全体としてのまとまりを、何よりも重要視していたのだ。最先端技術を追い求めるだけでは、全体の中で存在意義が確立出来ない。技術は、人・社会・生活・文化と共存できないと、短命に終わる。変化のめまぐるしい現代のIT技術も、新しいイコール価値がある、とは限らない。人々に受け入れられないと、真の市民権を得ることは困難なのである。