主人公が余りに「スーパーマン」的な存在であるが故に、いささか現実離れした稚拙な印象は有るが、作者の経歴を見れば納得できる。
本書で取り上げられている政界、官界、大企業と暴力団、更には宗教団体まで絡んでの闇の癒着関係は、極めて生々しく現実的である。長年こうした構図を苦々しく眺めてきたであろう、作者でこそ書ける醍醐味であろう。
国益を無視したマスコミの独走や、自らの所属組織を裏切り、利権集団に寝返る警察内部の「裏切り者」の存在に対しても、遠慮なくペンを進ませている。
重大汚職事件の摘発が何故いつも東京地検特捜部ばかりで、警視庁が表に出ないのかも、裏事情が細かく描かれている。
公安事件の警察の捜査手法等も、以前内部にいた作者が書いているだけに非常に信憑性が高い。
ただ、惜しむべくは、一部の「裏切り者」を除いて、警視総監、警察庁長官、刑事部長等、
警察側のトップがみんな「いいヒト」な点である。それ故に、「非現実的」の謗りを受けるのは避けられないであろう。
とは言え、のど越しは非常に爽やかで、勧善懲悪的な作品を求める向きにはお勧めできる。
国益の為に利権に巣食うダニを叩くという、公安警察官の「夢」「理想」を体現化した作品といえよう。
社会事件に興味のある方にぜひオススメしたい一冊。
特に週刊誌で事件の深堀記事を読むのが好きな方、警察サスペンスなどの
小説が好きな方が楽しめる作品になるのではないかと思います。
事件の裏側、真相を知り、「へ〜そうなんだぁ」と知的好奇心を刺激される満足、
と同時に「こんな情報よく知りえたよな〜」という感嘆を味わえます。
まだ記憶の薄れないオウム事件などは「え〜、もう終わり?もっと読みたい〜」と
思ってしまいました。
ケースの一つ一つが端的にまとまっているため、内容によっては足りない!と
思うこともあるかもしれませんが、ぎゅっと凝縮されたノンフィクションであることは
間違いありません。
前の方のレビューを読んでの補足です。
「警視庁の警察官採用試験」(協同出版)という本も過去問を再現しているようですよ。
普段テレビでジャンパーを被せられ刑事に囲まれながら移送される容疑者を見て、私たちは正々堂々顔を見せやがれ犯罪者め、なぜ警察はこいつらを擁護するのか、と思うかもしれない。
この本を読んでその真相が分かった気がする。
自分が取り調べして死刑になった容疑者の墓を訪れる刑事。
自白したい容疑者を制止する刑事。
上層部からは自殺の可能性を危惧され自宅に帰ることを反対される容疑者に対し、家族への別れなど"処理"をさせてやる刑事。
容疑者に「状況が異なれば、友人になりたかった」と思わせる刑事。
刑事こそ対人、対話のプロ。
殺人犯という非・常人を相手にする場所に、本当の人間くささを持った"刑事"がいる。
どれだけ警察が嫌いな人でも、これらの刑事の働きぶりには脱帽するはず。
ただ、殺人犯の人間くさい部分を垣間見るのはすごく切ない。
情報収集をするものたちの虚々実々の世界。話がなかなか進まず主人公が取ってくる情報もたいした物には思えない。しかし、その方がかえってリアルに感じました。現実の世界はそういうものかも知れないな、と。確かに最後のどんでん返しは何じゃこりゃの世界でした。これで終わって良いのか、と。主人公はそんな説明で納得してしまうのか、と。でも、それなりに面白かったです。久々に熱中して読みました。タイトルに惹かれて読んだ人は相当物足りなさを感じたのではないでしょうか。読了後に改めてタイトルを観て、そういえば、そういうタイトルだったな、と。ちょっとタイトルが、大げさかもしれません。僕はそこそこ面白かったのですけれど。
著者の実体験に基づいて、日本の警察、その中でも特殊部隊(SAP、SAT)の訓練や活動内容について書かれている。 ただ、本書の中でSAPが使用する武器についても述べられているのだが、図が一切ない為に分かり難い部分が多かった。 また、海外に存在する特殊部隊との違い、例えば、どのような点でSAPの方が優れているのか、或いは劣っているのかなどについて書かれていなかったのも残念であった。しかしその一方で、・ SAPの射撃訓練場には例え警察の人間であっても特殊部隊の関係者でなければ近づけない。・ 射撃訓練所内の銃声が一切外部へ漏れないよう、その建物の換気口は特殊な構造をしている。など、実際に特殊部隊で活動したことのある著者でなければ分からない、SAPの実態が描かれていると言う点でとても貴重な一冊であると思う。
単純にたのしい話が好きなひとにおすすめ。
わたしもそういうふうにすすめられて読みました。とにかく最後まで楽しめます。
パニック・アクションシーン満載なのに、最後はちゃんと『捜査二課』らしく、経済犯罪になるところも納得。
コメディなのに、ハラハラドキドキするのは、たぶんリアリティのせい。
著者は、本来秘密のはずの警視庁の建物の構造を徹底的に調べ上げて設計図まで描いて、庁舎内の喫茶店や食堂の名前まで全部調べて、それに基づいて描いているので、並みの警察小説とは桁違いの臨場感があります。
警察マニアのひとにもおすすめしますが、理屈っぽい社会派推理なんぞが好きな人はどうかな。
『カスタマーレビューに理屈っぽいこと書いてやろう』なんて思わなければ楽しいと思いますよ。だってこの著者の本職は『理窟屋』ではなくてエンターテナーなんですから。
もちろん、これは小説ですから、著者のメルマガの辛口?政治記事とは関係ありません(から、両者を関連付けて書評する必要はないのです)。
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